小説「一度、あきらめた場所」第36声 「感情を掘り起こす作業-part X-」
(感情を掘り起こす作業ーー)
閉まっていた。 締め出した。 感情を掘り起こすーー
失恋で。 感情に賭けた記憶を。 感情を掘り起こすーー
嫌気が刺したーー射し込んだ、こころに
希望を見つける
「優しいですよね」
僕を呪いのように、付纏わせるイメージ。また、言われた
「そうじゃないんですよ。見かけだからです。実際は、イライラしますし。それに…」
優しくない時に、失望されないよう、今の内からの弁解として。いちいち説明したくもなる。こんな時、煙草でも吸えたらいいのだろうか(喫煙者ではない)。
イメージに苦しんでいるのか? この歳で
「本当はそうじゃないから」それを言いたい
いや、化けの皮を、人に見えない部分を、たまたま人に見せてない部分を、見られたくないから。
「優しい人ですね」で、僕を『優しい人』にしないでほしい。
でも、それは『徳』として
それを有効に、人と接するために、使って行こうと思うようにはなった
それがまた…
気になる女性から言われたからだけど。
そうな風じゃない僕が、ここにいる ことを
君は知らないんだ
僕の優しさ以外を、好きになってほしい
過去が迫ってきた
先日、たまたまパソコンのメッセージに通知が来て
何年か前にコメントした記事に対して、コメントを誰かが書き残してくれた。
それを観て、それとその当時に自分がコメントした内容と、その時に愛したもの。
またそれが「優しさを感じる音楽」だった。
そこから、過去を少し遡って
その当時に聴いていたもの、観ていたもの、頼っていた時間、見返した
当時に好きだったものは歳をとっていた。それもそうだ
もう、終わってしまったのもあった。
終わってしまったもの
そこから感情を掘り起こすーー
やりたいことがあった僕
それにすがって、生きた僕
失った僕
それに対して、何かを言われたら、感情的になって怒っていた
否定されたくない何かがあった僕