lona-hallelujahの日記

人の成り行き “一度、あきらめた場所で”

2014-01-01から1年間の記事一覧

小説「一度、あきらめた場所」第10声「3日間の旅」第2夜

ホテルの喫茶店で、朝食を食べる。 感じの良いおばちゃんが作る朝のランチメニュー。 特別なものではない、懐かしさのもの。喫茶店には僕、独り。 窓のそと。ビルの通りを人がぽつんと歩く。 それぞれの人生の勤めへ向かい、気持ちが交差している。 僕の今日…

小説「一度、あきらめた場所」第10声「3日間の旅 第1夜」

「それで、ちょうどいい」今年の雪の降り始めは、予想外の積雪になり、高速道路の途中区間が通行止め。それにより、到着予定よりも1時間ーー遅くなる見込みのようだ。それが却って、この旅路を考えるものにしてくれる。 高速バス、11月中旬、北海道。 僕…

小説「一度、あきらめた場所」第9声「僕のつまずき」

「僕のつまずき」 友達と遊んだ。 ドライブ中に、メールをくれた、あの友達だ。 遊ぶことなく終わったあのメール以降、時々、メールが来るようになった。 メールの内容は、特別な事はなく 遊ぶ約束をして、僕の家やその友達の家で、TVゲームをしたり、何処か…

小説「一度、あきらめた場所で」第8声 秋空

秋空が 茜色に染まり 雨は遠のき 雲は一休み 秋空 この 茜色の 広がり 沈む前に 見せた 虹色の 気配 夕日が 光に近づいてゆく 遠ざかり 触り損なう 秋空 この 茜色の 輝き 沈む前に 見せた 茜色の 広がり 沈む前に 瞬間 見せた 本当の さみしさ 秋空が 茜色…

小説「一度、あきらめた場所で」第7声 他人事ではない、死

死 死が流行っている もう他人事でない、死 身近な、死 子供の頃、当たり前に生きていた人たちが、死んでゆく 大人になり、知り合った人の、死 あの貸本屋の店主さんが、孤独死で逝った 身近な人づてに、その死を知った あなたにインタビューした本の中で 「…

小説「一度、あきらめた場所で」第6声 道を絶たれて

また、現状を変えようとし、今度はギターを手に取る。 独学で(友人に音楽理論の基礎を少し教わってから)、2年半ほど続けてきたギターでの創作活動。 何か、土台を失った…いや、自分の独立独歩での追究が、あれで終わったのだと感じた今の僕は、これまでの…

小説「一度、あきらめた場所」第5声

源泉からの新たな流れが遣ってくる。 川の濁りを力強く押し流してゆく、新たな流水。 清らかな川をまた…汚すだろうか? 押し流された濁りは熱で過ちを渇かしてしまう。 死は力強く川を押し流してゆくーー積み上げられた石を視て、踏んで歩く。 輝きを放つ石…

小説「一度、あきらめた場所」第4声〜小説の中の小説「鶏群の一鶴」Y.Y〜

『生きたい。』 ふいに目が覚めて、彼の頭に浮かび、口に出していた言葉。 28歳。友達と、夢と、希望…それらを失った日常からこの物語は始まる。 彼女が生きる世界を選ばずに(彼女と活きる世界を選べずに)、引き裂かれた孤独者の生命線上。彼はそこでも…

小説「一度、あきらめた場所」第3声

“Y.Y”の描き欠けた小説 以下は、彼の創作ノートに書かれたものである。 これは、小説の冒頭に(Tさんへ 誠実さ…約束、弁明) “T”さんへ 引き戸に閉まった、かつての想い出たちは頭の中で反芻する 後悔があり、未練があり、可能性があり…いつか、衛生から覗き…

生涯に架けて

本当に、レパートリーにしたい曲リスト というのを考えようと思って。 というのも、自分の物覚えの悪さ…と、 的を絞って、集中したいこと、 生涯を架けて、取り組んで発展させてみたいこと、 思入れがあること、 『時間』はいつまでか分からないこと そこで…

小説「一度、あきらめた場所で」第2声

「一度、あきらめた場所で(来歴、往来)」 何かが再発したように感じた。 精神的なぶり返しの 辛かったあの時期の感覚 これまでの自分を後悔のものに変える感覚 自分の行為を肯定する手段を見失った—— 彼にチャンスを与えてくれないか? 何かをしようとすれ…

小説「一度、あきらめた場所で」プレリュード

再送された気持ち 君を見返している 跡を辿るとき、途切れた 気持ちに問い掛ける こだまのように、山のように そっと 君の気持ちが確かに 再送された 作り直すんだよ 新しい気持ちを 再送される気持ちを 君は見返して 跡を辿りながら、途切れた 気持ちに問い…

一度、あきらめた場所で

一度、あきらめた場所で、再回しました。 人生は、長くないのかもしれないから 「いつか」と思っていたことを早め 描き欠けて未完成なままのことを、公開し 出し惜しみしている内に、人生の幕が落ちないよう ひた向きさを 取り戻すのです 僕は、殴られてもし…