lona-hallelujahの日記

人の成り行き “一度、あきらめた場所で”

小説「一度、あきらめた場所で」第7声 他人事ではない、死

 

 死

 

 

死が流行っている

 

もう他人事でない、死

 

身近な、死

 

 

子供の頃、当たり前に生きていた人たちが、死んでゆく

 

 

大人になり、知り合った人の、死

 

 

あの貸本屋の店主さんが、孤独死で逝った

身近な人づてに、その死を知った

 

あなたにインタビューした本の中で

「他人と共有するということ」というテーマ

 

その気持ちが、希求が、今も、僕にあるのだろうか…と

 

「共通の基盤を作らないと」とあなたは云った

 

だが、ますます自分本位になる僕(僕の嗜好)

 

そして、結局

あなたとも、最後には距離を作ってゆき

数ヶ月、会わずに

終わった

 

 

あなたと共有できたこと(ちあきあなみ・漫画・稲垣足穂

 

それらを通して、その人を

知った

 

と思う

 

たぶん…ぼくのことも。

 

 

ぼくは、誰かに理解されているのだろうか?

 

僕の、確信や、ペルソナ、憂鬱、孤独

 

 

理解されたいのか分からずに

足跡を遺すだけ

あなたのインタビューを録音したファイルがICレコーダーに

声が遺り、雰囲気や面影

僕は、記録物を作っているだけじゃない

 

それらを通して、それらを媒介とした

何かが、出来ると

何かが、宿ると

何かが、

 

 

僕には、あなたと話したテーマが遺っている

 

 

 

 

  死

 

 

死が流行っている

 

もう他人事でない、死

 

身近な、死

 

 

子供の頃、当たり前に生きていた人たちが、死んでゆく

 

次々と、消えてゆく中で

 

 

 あなたの死の中で、再会する

 

あなたの想い出の中で、再会する