小説「一度、あきらめた場所」第38声
“誰かへの置き手紙”
僕の詩才がなくなる前に、誰かに書き残すための言葉
もし、ここにある置き手紙すべてに
眼を通してくれたなら
「うん」と、君はうなずくだろうか?
僕のギャップに気づいた君が居るだろうか?
結局、受け容れられなかった君が居るだろうか?
包み隠さない言葉が、君を飽きさせた? 君を不安にさせた?
ある一時期の僕がここに居るわけだけど、
表と裏も僕であることには変わりないし、
裏だとしても、それは日常で出す機会がないだけのことだから
ここと、君が見ていたすべてが、僕
人は、ある一定の時期を過ぎてから、生き方が変わると思う
僕が過ぎたこの青春の延長(黄昏)は、今へと続くもの
どうか君が、ここにある置き手紙のようなものを
最初から最後まで読んでくれたら…と思う
その上で、パートナーになりたい
そして、
そこには常に、行間(言い表せないもの)があることを忘れないでほしい
伝えたいのは、いま、僕は君に出逢えて幸せです
ということ