小説「一度、あきらめた場所」第14声 「Route 12 -12の鍵となる記憶-」key 8
track 8 “あの角に在った お店”
key Db and Bbm
あの 角に 在った お店
思い 出せ ない
あの 店員 憶えて いる
店の なか 頭 浮かぶ
思い 出せない
「いま、たぶん 通り過ぎたのが
写真に 映らなかった 表情
ようやく 書き終えた 手紙
あの 角に 在った お店
あの 店員の 表情
店の なかの 孤独
変わってゆくーー
あれから 何年
隔てて ここに 還って
映らなかった 眼に
書き始めた 手紙
あの 角に 在った
( )