lona-hallelujahの日記

人の成り行き “一度、あきらめた場所で”

小説「一度、あきらめた場所」第17声     「春の凱旋」-routine 4-


-routine 4-

 

 

今までの春を振り返る 春
今までが何もなかったように

まさか まさか まさか あの娘 なのか

また運んできたのか、春が
同じ雲 気持ちの ループ
春の陽気が蒸発させてしまう

春の混乱
 振り出しなのか

また 雲が 遠くなってゆく前に

涙の焙煎

雲は離れてゆくけれど
僕も歩いていたんだね

紙の雲の切れ端を掴むように
追ってゆくなら
ページをめくりたい

静かに 静かな 滴を落とす
ページをめくり、想い出、巡りながら
砂糖のない 想い出
微かな甘みが 欲しい
苦みの焙煎

苦みを挽いて 唄っている
静かな 静かに 苦みの焙煎を
揺らぎ 揺さぶられ それだけなら
いい迷惑だ

苦みを挽いては 歌を唄ってる
苦みを挽いては 歌を唄い 奏でながら 
雲が また遠くなってゆく前に
涙を焙煎させる
静かに 静かな 滴を落とし
ページをめくり、想い出、巡りながら
砂糖のいらない 
リアルな苦みの焙煎作業